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March 27, 2005

女のカン

福島でも時折穏やかな春らしい日が見られるようになり、私の中にいる庭いじりの虫がうずき出している。とは言っても、庭を触るようになったのは、昨年が初めて。今まで土とは縁が無いマンション暮らしだったため、せいぜい畳4枚分くらいの、ゴロ石ばかりの庭だが、愛着を感じているのだ。
近所に住む、あるおばちゃんもまた庭いじり好きらしく、その花壇に咲き誇る花たちは、色とりどりでとても生き生きとし、雪の季節以外は花を絶やすことが無い。そんなおばちゃんが気になる私は、夏のある日思い切って声をかけてみた。「いつも花壇、きれいになさっていますね。」「えぇ?ははっ、そうかぃ~?」「わぁ、この花珍しい!なんていうんですか?」「・・・さぁ?おれ(訳:私)、知んね(訳:知らないよ)。みんなもらって育ててるだけだからぁ。」「そ、そうなんですか・・・」昨年の春、さんざんネットでどんな種を植えるか、気候や土に合う花は何か、と懸命に探した私とは正反対。おばちゃん同士のネットワークで、花の種や苗を交換しあい、その名前や特徴を知らないまま、自分の五感を使っておばちゃんは育てている。その背景には、「図鑑を読むのがおっくう」「字が細かくて見えない」等の理由もありそうだが・・・。
いつだったか朝のニュースで、このエピソードを思い出すような、食品に関するニュースをやっていた。今の日本人は「文字を食べている」らしい。「創業○年の老舗」「完全無農薬栽培」「最高級の品質」・・・。舌や鼻よりも、食品の肩書きで美味しさを決めている、とのこと。私の身にもそう言われれば、覚えがないわけじゃない。
おばちゃんの庭いじりは、マニュアルいらず。失敗を恐れないおおらかさと、体得してきたキャリア。全部自分の身体が知っているというのは、なんだかカッコイイ。


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