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March 29, 2005

知識の念仏

IMG_104010バードウォッチャーが、とても苦手だった。知人のある男性のイメージが一時ついてまわったのだ。もう何年も会っていないが、その彼の趣味は、バードウォッチングだった。
「あ、あの鳥はね、○○だよ。この種類の中では一番○○で・・・」「○○は、今絶滅しかけてると言われてて、○○地方では・・・」「今○○が飛んだの見えた?あれはオスで、メスは・・・」
始めは「へぇ~」「うんうん」と聞いているが、だんだん念仏を聞いているような感覚になり、私は軽い眠気すら覚える。持ってる知識を教えてもらえるのは、ありがたいが、なぜか全然頭に入っていかない。会話は、彼の一方通行だった。
彼のイメージが消えた証拠なのか、いつしか私も双眼鏡と野鳥図鑑を、ザックに入れておく人となった。そして先日、スノーシューに出かけた際に、ネイチャーガイド1人にご夫婦という組み合わせと、ガイドなしの私たちがご一緒になった時のことである。私たちに会うなり、ガイドさんはすばやくザックから名刺を取り出した。「私、こういう者で、まぁ~こういうこと、やってるんですよ。」そして、営業ツールと思えるような、写真ファイルを見せて、長々と話し始めたのだ。その後もガイドさんは休む間もなく話し続けていて、静かな森に彼の声と高笑いだけが大きく響いていた。楽しみにしていた静寂のランチタイムは、なくなった。人によって求めるものは違うと思うけれど、私の場合、人となりが感じられるようなガイドさんに同行頂いた時は、深く印象に残る。私はガイドを依頼する時点で、ガイドさんの知識にはかなわないものだと思っている。しかし知識よりも、その人のその場の楽しみ方のようなものを、感じ取りたいと思うのだ。そしてそれは、生き方や人間性と無縁ではないと思う。信頼できる人だ、と分かってはじめて、その人から知識を吸収したいと思える。たかだか数時間だけど、せっかく縁があり、よく知るフィールドやアクティビティを披露してもらうのだから、大切な思い出にしたい。


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Comments

クロミニさん、こんにちは~
人となりが感じられるようなガイドだと印象が深まる…おおいに同意です。
もちろんその方の性格や人間性もそうですし、仕事や人生そのものに対する姿勢というか、価値観というか、そういうものにすら影響されているような気もします。
ガイド以外でも、少人数の宿とか、そういうときも主人氏の人となりや人間性によって、旅の印象が変わりますよね。
とはいえ事前に知ることは難しいし、誰かがいいガイドだと評したとしても、自分たちにとっては違うかもしれないから難しいですけど(^^;;

Posted by: いが | March 30, 2005 at 11:18 AM

いがさん、こんばんは!コメントありがとうございます。
そうそう、宿を選ぶのが以前より慎重になってしまって・・・!
それでもがっかりしちゃう事があって、事前に知ることは難しいですよね。

実はこの記事アップした後で「で、自分何様?」と反省の気持ちも半分(汗)。
おおらかさが足りない自分を露呈したかも、と。
いがさんのコメントで救われました。ありがとうございます。

Posted by: クロミニ | March 31, 2005 at 08:41 PM

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