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October 10, 2005

きずなと伝統

1月19日の記事に、中村さんちの田んぼは白鳥の湖というのを書きました。

先日、その中村さんちに稲刈り体験に行ってきました。

昨年、福島県の「うつくしま農林水産ファンクラブ」に入会した私。

県の主催するいろんなイベントに参加できるというわけで、この企画もしかり。

「有機農産物販路開拓交流会」という名称で、バスに乗って中村さんの田んぼに行き

稲刈りはもちろん、有機農産物生産者としてのお話を伺ったり、

中村さんの作った餅米での餅つき、試食という内容でした。

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秋晴れの稲刈りにふさわしい爽やかな日和でした。

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稲を握る左手は順手で、カマは手前に素直に引きます。

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刈った稲は10束を目安に縛り、杭に井の字にかけて天日干し。
逢瀬町では、風が強く当たるので、このように重ねて干します。

2、3日、筋肉痛になるほどの重労働かと思いきや、

この中村さん、私たち参加者に労働してもらおうなんて、思っちゃいません。

それより、「有機農業に対する思い」を伝えたい、そんなお人でした。

では、中村さんの語り口で、どうぞ。

***

知り合いの子どもが、体調がよくならないってことが始めたきっかけ。

虫食いひとつないきれいな食物ってのは、まず何かある。

消費者の顔、想像しなけりゃ、それでもいいんだろうね。

でも俺、個人に売ったりもしてるから、それはできないんだ。

何しろ雑草との闘いなんだよね。

除草剤、1反分たった2500円で、きれ~いに雑草は消える。

それを今は米ぬか使って、雑草の生育抑えてるけど

狭い稲の間、雑草を水に沈めるようしなきゃならんし、手はかかる。

あいがも農法ってあるけど、あれは俺、どうかと思う。

水生昆虫をあいがもが食べちまって、昆虫ゼロの田んぼになるから。

稲だけ、この植物だけ、そういうもの作るのは、人間だけだ。

山だって、なんだって、たくさんの命が混然一体となってるのが自然。

ただ、雑草の中に稲が見えるような、そういう農業は、また違うと思う。

俺たちは、農業として、消費者に提供しなくちゃならない義務があるから。

自給自足とはまた、違うんだ。

俺、とにかくこれだけは言いたいのは、日本の作物買って欲しいってこと。

このままじゃ、日本の農家はゼロになる。

***

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稲刈りの後、伺った中村さんのお宅には、ご馳走がずらり。

私たち参加者はもちろん、県の担当の方も、びっくり。

すべて中村さんの気持ちだとのことでした。

前日から作られたずんだ餅や、漬物、具だくさんの味噌汁、おにぎり。

中村さんご夫妻と、そのお仲間の、もてなしの心がひしひし伝わってきました。

中村さんのお宅は、見た事もないような立派な梁の大きなお宅です。

ひろ~い玄関は、塵ひとつなく掃き清められていて、

客間には、小学生や外国人など、様々な訪問者との写真や礼状、

大きな大きな神棚、そして中村さんのご先祖の位牌が数多く祀られていました。

そんな中村さんのお宅にいると、有機農業など新たな挑戦を始めることや、

代々その土地を活かしてきた農家を引き継ぐことの、

私には想像もつかない、責任の重み、小さな時間の丁寧な積み重ね、

中村さんの実直な人柄を通じて、感じずにはいられませんでした。

それから、有機農産物って、生産者と消費者のきずなそのもの。

今は全国で1000戸に1戸と言われる有機農業、

そう思うと、貴重なきずなを体験をした、貴重な1日でした。


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