June 10, 2007

6月の浄土平

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久しぶりに山に行こう!ということで、浄土平へ向かいました。
磐梯吾妻スカイラインから見た新緑です。(^0^)

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予想より明るかったとはいえ、レイン装備してスタートです!
ちなみに寒がりのクロミニ、フリース忘れ、カイロ2枚貼り。(^^;


福島県が誇る!浄土平湿原の6月の風景。動画でどぞっ♪

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マイヅルソウ、まだ咲き始め。群生箇所たくさんあり、これから本番。

※2007・5・16 「滝川渓谷」で
 「マイヅルソウ」とご紹介したのは「チゴユリ」でした!!
 misaoさん、ご教授いただいたのに、すみません!
 今頃間違いに気がつきました(深謝)!!

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コメツガの雄花と思われます。金色に光ってきれいです☆

針葉樹にも雄花と雌花があって、マツボックリができるんですね。
調べてみて初めて知りました。

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雨にぬれたチングルマです。

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真っ白な苔、ハナゴケ(花苔)。雨にぬれるとよく目立つそうです。

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湿原の代表選手、ワタスゲもしっとり。

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ミツバオウレン。

みんな雨に打たれてりゃいい~♪by佐野元春(^^;

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雪渓のわずかに残る山を眺めながら、樹林帯に入ります。

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イワカガミ、たくさんたくさん咲いていました。

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ハッカのようにむせかえる強い香りの木。
ミヤマハンノキ(深山榛の木)、登山道は今この香りでいっぱいです。

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オオカメノキ(ムシカリ)。純白のウェディングブーケみたいです。

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雨が本降りになってきました。

この先は「姥が原」という平原で、
その風景をダンナさんに見せたかったのですが
ふと、平原=カミナリに当たるのでは?!という不安がよぎります。

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ダンナさん「おっ!見えたぞっ!あれ鎌沼??」
クロミニ「鎌沼なんてまだまだ先だよ!なにあれ?」

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ゆきだよ・・・

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あっちもこっちも・・・

これが快晴なら、「雪と青空のコントラスト、きれい!」となるも、
五里霧中状態では、不安たっぷり倍増!

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カミナリこわい~クロミニ倍速モード

「光ってもいないイナズマが見えたと言い、腰を低くして早足だった」
・・・ダンナさんの証言

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えっ、木道が途切れて・・・どっすーん!
はじめて見たよ~こんな光景。テレビでは見たことあるけれど。

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氷河??巨人がムースをスプーンですくった跡みたいな。


鎌沼の西岸にあった雪渓と、スタスタ先を急ぐクロミニです。
雨風もあって、カメラ回すのをあせってますので、目が回るかも!

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ようやく鎌沼が見えてきました。ここまでくれば少しは安心。

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ミネザクラが満開です。

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コバイケイソウも群落たくさん。1ヶ月以内には満開でしょう。

このあたりで、木道の下から、小さな生きものが出てきました!
あっという間に藪に入ってしまいましたが、
20~25センチくらい、黒っぽかったです。
跳ねなかったからウサギではないし、
リスのように小さくはなかったのは確か。
テンかなぁ?オコジョはもっと小さいよね。
いま、浄土平ビジターセンターの方に問い合わせています。

ビジターセンターからの回答がありました!
 酸ヶ平の木道でご覧になった動物は、オコジョかもしれません。
 細長い感じでしたか? 登山者から目撃情報はたまにありますが、
 実際目にするのは運が良くなければむずかしいです。
 かわいい姿をしていますが、イタチ科の肉食獣です。
 性質は獰猛で好奇心旺盛、すばしっこいです。

大きく見えたのは気のせいかなぁ?
それにしてもラッキー♪
悪天候で人も少なく、動物の警戒心が解けて会えたのかも。

ホッとしたのも、つかの間・・・下りに差し掛かったところで。

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道消える。クロミニ棒立ち。(T0T)
気温は6℃。指先など凍るように冷たかったです。

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はじめての雪渓渡り。右側がコース。
左側は渓谷になっていて危険!!

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敬愛する芭蕉とTAMを思い出しました。

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そんなこんなで、無事帰還!!ヤッター!!

ロッキーのテーマを鼻歌る、おバカ夫婦でした♪

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母成(ぼなり)グリーンライン沿いのお店「きこり」で買った
地竹を天ぷらにして食べました。美味しかったです。
※「きこり」では、立派な薪、珍しいジャムが買えますよ~。

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浄土平マップです。(クリックで拡大できます)
今回は駐車場を基点に、南側から鎌沼を一周しました。

レインウェアのポケットにGPSを入れていましたが、
この天候でもまったく問題なく、コースを把握できました。

山はまだ春になったばかり。天候や気温を甘く見ちゃいけませんね(反省)。
でも、こういう天気でないと会えない風景、味わえない思いというのも
確実に存在するわけで、そこが、怖い思いをしながらも
山を嫌いになれない理由なのかなぁ、なんて思います。

・・・福島市浄土平

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March 19, 2007

会津探索

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タテ信号は雪国のしるし・・・会津若松市に行ってきました。

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城下町らしい趣の会津若松駅。吹雪が似合いすぎる~、白虎隊の銅像。
観光案内所や、会津ならではのグッズが揃う、お土産屋さんも入っています♪

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レトロなバスや、レンタサイクルでまわるのも楽しそう。

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数年前に改修で入れなかった、鶴ヶ城を見てきました。
ご覧のとおりの、冬景色です。

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一、二輪が、雪の中ようやく咲いていた梅の花。

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お城の中は撮影禁止なので、残念ながら写真ではご紹介できません。

明治7年、新政府に廃城とされ、昭和40年に地元有志による募金で
再生した天守閣がシンボルとなっています。

芦名氏、蒲生氏、上杉氏、加藤氏、そして保科氏→松平氏へと領主毎の紹介が
美しく整理され、また微笑ましい趣向を凝らした展示物も盛り込まれています。
天守閣は、蒲生氏のころは7層、その後地震による崩壊を経て
加藤氏により再建されて現在の5層になったそうです。
会津の地は東北の要衝として、数多くの領主を迎えた場所でもあります。
*今年1月6日・7日にTVドラマ「白虎隊」で取り上げられていました。

お城の中は、ハンパなく寒かったです!!
場所によっては靴を脱いで、畳や板張りの上を歩くのですが、
これって拷問・・・(T0T)・・・氷の上を歩いているようでした。
お侍さんの冬のお勤め、会津という寒冷地だけに大変だったことと思います。
*この寒さに耐えることが、“会津魂”を育てたのかも・・・

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当然ながら、陽がささないお城の中、さらに吹き抜けで、
最上階は見学できるようにとベランダ状になっていて、窓開放・・・
冬の鶴ヶ城を訪れる方は、かなりの厚着でお出かけ下さい!!

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今回のホントの目的はこちら、「ハローショップ金子酒店」です。
田んぼの中にぽつんと立つ、小さなコンビニの中の一角には、名酒がずらり☆
釣り好きな、とっても気さくなご主人が、経営されています。

雑誌dancyuに、旨い酒No1として紹介された、会津の「飛露喜」よりも
美味しい!というお酒を知人に紹介してもらったので、買いに行ったのでした。

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そのお酒の名は・・・「春高楼」(はるこうろう)といいます。
あの「荒城の月」に歌われた♪はるこうろ~うの~はなのえん~♪の「春高楼」です。
作曲家・滝廉太郎は、大分の竹田城をイメージしていたそうですが
作詞家・土井晩翠は、福島の鶴ヶ城をイメージして書いたといわれています。

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まだまだ遠そうな会津の「春」。
フルーティーな香りと、雑味のない上品なお酒でした♪
これなら、下戸の私でも飲みたい!!とはじめて思えちゃったのです。

・・・会津若松市

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October 15, 2006

初単独登山!東吾妻山

「おひとりですか??」と道行くヒト。「あ、はい」とワタシ。
「へぇ~、スゴイですね!!」「え、いえ、ゼンゼン・・・」
だって今日がはじめてだったんですものっ!!

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磐梯吾妻スカイライン(軽1150円)から見た高山(1804m)。
ただいま、吾妻山系は、まっ赤っ赤でゴザイマス。

浄土平ビジターセンターに車を停め(410円)、真西の姥ケ原に向かいました。
家を8時に出て、登山スタートは10時半近かったです。

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途中、磐梯山が遠くにかすんでいます。

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50分ほどで、姥ケ原湿原に到着。
15分くらいは階段登山で息が切れました。

姥ケ原からは真南に東吾妻山へ。
山道はすべて岩だらけの狭く歩きにくい道が40分ほど続きます。
すれ違うこともできない細い道でしたが
ストックを両手に持って行ったので、かなり助けられました♪

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山頂(1974m)は大勢の人で賑わっていたので、撮っていただきました。
ひとりの登頂は達成感が一味違います。
お昼ご飯もまた一味違って、少しさみしかったですが(^^;。
山頂到着は12時10分でした。

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真北に前大巓(1911m)。

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北西には谷地平が見えます。

ひとり下山の開始です。早め早めにと心がけました。

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鎌沼を北に回りこむルートを選びました。
カメラを担いでいた紳士に撮っていただきました。

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樋沼を見下ろしたのははじめてです。
モスで飾ったフラワーアレンジメントみたいです。

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おっきなフジツボ・吾妻小富士(1707m)はたくさんの登山者であふれていました。

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ごつごつした一切経山(1948m)。

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浄土平から東吾妻山方面を望む。
駐車場に着いたのは15時近くでした。

ひとりの登山もいいものです!(^ー^)v
ルート選びの楽しみが独占できること、
ペースが自由にできること、
ふたりの時よりヒトから声をかけられること、
ちょっと不安でドキドキすること、
時間がとっても気になること、
そして、帰りの運転が疲れること・・・(^^;
いい経験ができた1日でした♪

・・・福島市浄土平~耶麻郡猪苗代町

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September 03, 2006

秘湯*沼尻元湯温泉

久しぶりに、温泉だけをめあてに出かけてきました♪
安達太良山の西面、標高1300mに位置する
荒涼!かつワイルド!(同義?)とにかく大自然!!な温泉です。

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沼尻スキー場から、でこぼこの林道を走ること15分。

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沼尻登山口駐車場に到着。この日約50台ほどの先客(午後12時半)。

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登山道を歩きはじめてすぐ、白糸の滝展望台があります。

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どどーん!登り40分で、温泉の全貌が現れます。
この谷間に流れる沢すべてが温泉なのです♪
ここから下り20分で沢にたどり着けます。急な斜面もありご注意!

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もうもうと湯気をあげる、湯の流れ~!硫黄臭つよし!

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ここは湯の花採掘場。
木製の水路に、白い湯の花がたっぷり溜まっています。

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どこに入ろうかな~って、沢を登ったり下ったり。
東屋より上は有毒ガスで立入禁止。
下るほど湯温は少しずつ低くなります。

女性のみなさん、混浴用マイバスタオルがあると便利です!
大判バスタオルを輪に縫ってゴムを入れ、肩ひもをつけただけ。
脱衣もこれがあるととっても楽ちんなのです。
先客がスコップで掘ったらしき湯船がたくさんあり、ハシゴしました!
湯温はぬるめで最適!

入っているのは、おじさん二人組やバイクのライダーなど。
日曜の昼間でざっと数えて5・6組かな。
女性はほとんどいませんでしたが
沢全体が大きく、登山道と離れているので人目も気になりませんでした♪

ダンナさんはスッポンポンで入っていましたし。(^^;
ところどころ小さな滝ができていて、打たせ湯を浴びて
酸性の湯が目にしみ、痛がっていました。

秋めいてきた、高~い青空と涼しい風が気持ちイイ~。
往復で山道2時間の価値は充分にあるオススメの温泉です!
ハ・ビバ・ドンドン♪

・・・耶麻郡猪苗代町沼尻温泉

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June 04, 2006

6月の尾瀬

6月の尾瀬沼を見に行ってきました。

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尾瀬沼に向かう、檜枝岐村(ひのえまたむら)国道352号のブナ平は
この冬の雪の多さを物語る、白と緑のコントラストです。

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御池~沼山峠までは会津乗合バスで移動しました。
沼田街道はご覧のとおりの残雪です。
ストックや軽アイゼンがあると歩きやすさが違うと思います。

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途中、結構急な斜面もあって、滑るように駆け下りました。
(オレンジのシャツ、焦るクロミニデス)

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林の中の落しもの。モスで作られた巣のようです。

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好天に恵まれ、高原特有の紫外線の強さでした。
ようやく木道の雪がなくなった、という感じです。

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尾瀬の代名詞、水芭蕉が咲きはじめています。
カッコーやホトトギス、ウグイスの鳴き声がBGM。
水は驚くほど透明できれいです。

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東北で一番高い山、燧ケ岳(ひうちがたけ)は2356m。
「山」の文字のような象徴的なカタチです。

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尾瀬沼ビジターセンターそばの長藏小屋。

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「花豆ジェラート」はアズキの風味でおすすめ!ウマいです!

沼山峠~尾瀬沼北岸~沼尻休憩所(昼食)~
尾瀬沼北岸~ビジターセンター~沼山峠、計13キロを歩きました。
「尾瀬沼南岸は残雪に加え、足場の傾斜がキツい為おすすめできない」と
沼尻休憩所のおねえさんに言われ、今回はあきらめました。
水芭蕉の満開まではあと1週間ほどでしょうか。
道中の雪解けまでは、さらにあと1週間はかかりそうです。

***

今回は、檜枝岐村の見通りキャンプ場に泊まりました。
そこで、エゾハルゼミの脱皮に出くわしたのでちょっとご紹介。
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3時間くらいかかって、ゆっくりしかし懸命に脱皮していました。
羽が形づいてからも、なかなか飛び立たないんだなぁ。
羽化したてのセミって、こんなにパステルカラーなんだなぁ。
脱皮はじめはイナバウアーなんだなぁ。

カジカも鳴きはじめていて、会津地方にも初夏の気配がしていました。

・・・南会津郡檜枝岐村

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May 10, 2006

妖精のアジト

こんにちは。わたし、カタクリです。

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スプリング・エフェメラル(春の妖精)とも呼ばれています。

花が咲くまで、山のふかふかの土壌で、何年もかかります。
むかしむかしは、わたしの根っこで片栗粉を作ったそうです。

クロミニさんが、先日わたしに会いにやってきました。
わたしは、磐越自動車道の会津坂下ICと西会津ICの中間にある
「鳥屋山(580.6m)」で咲いています。

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鳥屋山の芽吹きです。
まるで秋の紅葉のような、色とりどりの「萌え~」です。

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登山道全長の半分くらいは、わたしで覆われています。

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アウトドア雑誌に紹介されるような、お花畑があっちも、こっちも。
訪れる人はまばらなので、写真撮影も独り占めできます。

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寝そべるぐらいかがんで撮った、クロミニさん。
わたしは、花粉を雨でぬらさないために、うつむいて咲いています。

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途中、まだまだ白銀の飯豊連峰が神々しく見られます。

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汽笛が里山に響くSL、磐越物語号も近くで走っていますよ。

クロミニさんちでは、何か物が行方不明になると
「妖精のいたずらだ!!」ということにしているようです。
そしてその妖精とやらは、クロミニさんとダンナさん、
どちらかに気まぐれに付いて戯れているようで
物がなくなることが続くと、
「妖精がそっちに付いた!」などと言っています。

さて、鳥屋山は妖精のアジトと位置づけられたようです。
GWの直前が一番の見ごろです。

・・・耶麻郡西会津町

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April 09, 2006

スノーシュー@浄土平

福島市の高湯温泉と土湯峠を結ぶ、磐梯吾妻スカイラインが
およそ5ヶ月ぶりに開通し、早速名物「雪の回廊」を見に行きました。

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土湯峠の料金所から入りました。
昨日の吹雪、今日の強風の影響もあって、滝見台付近までは
あたり一面、ご覧のとおりの見事な樹霜で圧巻でした。

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高山付近に進むと、3m前後の雪の回廊が現れます。
新聞では、現在の浄土平の積雪は例年の2倍、4mと伝えていました。
2月頃、一体何mだったんでしょう・・・。(^^;

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兎平に入ると、一切経山が見えてきます。
兎平駐車場は、山スキーを準備する人で賑わっていました。

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麓は晴天でも、浄土平はこの吹雪です。
軽装で吾妻小富士に登る人もちらほらいました。

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鎌沼方面へ進んでみたのですが、ホワイトアウト状態が続き、
とても楽しめそうにはないので、引き返しました。
気温は-2℃。アイゼンで登る人が多かったです。
標高1600mにしては暖かく、登り続きで汗をかきました。

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左に見えるのが天文台とビジターセンターです。
駐車場は午前中からたくさんの車で賑わい、
その半分以上が、山スキーやスノーシューを楽しむ人でした。
現在、レストハウスもビジターセンターも営業しています。

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レストハウスの「ケリー」は美味しかったです(なんでケリー??)。
手前が、「カツケリー(キャベツが乗ってる!!)」。
奥は、「薬膳ビーフケリー(なぜか古代米ふう赤いご飯)」。

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帰りは、高湯方面へ。荒涼とした火山の風貌です。

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途中、雪崩を起こした箇所もありました。

除雪はされたものの、依然として春の遠いスカイラインでした。
東北の春、まだスタッドレスタイヤは脱げません。

スノーシューを楽しむようになってから、雪解けが少し寂しくなりました。
雪は、緑の季節には入れない自然のフトコロで、ワタシを遊ばせてくれます。
白いじゅうたんに残された足跡が、普段は意識しない生きものの存在を
身近に感じさせ、また、その生命力の強さに驚かされます。
標高の高いところでなら、もう少し、春に駄々をこねることもできそうです。

浄土平ビジターセンター・ホームページ

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ウチのそばで見つけた桜の蕾です。今週末あたりが咲き始めかな?

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November 14, 2005

山あいのそば屋

福島県中通り地方でも、今週から最高気温が10℃を下回るようになりました。
早朝は2℃くらいまで下がる日も出始め、ひと雨ごとに寒くなってきています。
週末、ほぼ新潟との県境にある、友人のおそば屋さんを訪ねました。
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会津の山々、紅葉は終わりかけていました。

西会津町、西方街道(国道400号)は、すれ違うのがやっとの細い山道で
まわりは360度山に囲まれています。
時折、数軒の集落があり、道端では水路で大根を洗う姿がまれに見られますが
行きかう車もほとんどなく、小鳥の小さなさえずり以外、まったく物音のない、
「寒村」という言葉がぴったりくる場所です。
そんな、コンビニはもちろん、ガソリンスタンドも、病院もない、街道沿いに
名無しのおそば屋さんが一軒あります。
「黒沢(地名)の農家のそば屋」とだけ、見落としてしまうくらいに小さく、
手書きで書かれた木の板と、数本の「そば」ののぼり旗が目印。
冬の間は、豪雪で閉鎖されてしまう、期間限定のお店です。

そこは私の友人の実家で、ご主人は友人のおとうさん。
林業、きのこ栽培、そば打ち、水稲、炭焼き、そしてスキーのインストラクター。
なんでもこなしてしまう、スーパーおとうさんのお話です。

***

このあたりは、桐が有名で、昔は高く売れてね、1本50万、100万ってザラだった。
それが、きのこや野菜もそうだけど、海外から安く入ってきて売れなくなった。
そのうち、育てたものをここで、訪れた人たちに売るようになったんだけど、
飛び抜けてそばがよく売れるんで、そば屋をやることにして、
他にも、いろんなこと、やってるよ。
炭焼きなんて、本当に貧しい人がやるもんだ、って昔は思われていたけどね。

今の日本人は、みんな疲れているよね。
「もっと豊かに、もっと」って求めすぎていて、でも、その流れから抜けられなくて。
家族が健康で、素直に感情をぶつけあって、身の丈に合った暮らしができれば
それが本当の豊かさなんじゃないかなぁ。
この店、宣伝しないのに、わざわざ関東方面から、常連さんがよく来るよ。
会社の組織の中で、もがきながら働いている人なんかがね。
私にできるのは、そういう人たちに、喜んでもらえることをするだけだけど
それは、本当に幸せなことだと思うよ。
こういう時代の流れの中で、自分の役割って何だろう、って考えるからね。

***

会津の空は、一足早い冬のような暗さでした。
夏でさえ、日照時間がとても短いであろう、右も左も山肌の迫った山村で、
半年という長い冬を、豪雪と共に生きてきた人たち。
その暮らしはきっと、今でも慎ましやかで、たくましいものなんだと
まわりの風景を見ているだけで、想像することができました。
大きな大きな肉厚しいたけの炭火焼や、山にんじんの天ぷらと新そば。
いろりを囲んで、個室で食事ができる、小さいけれどあったかいお店でした。

・・・耶麻郡西会津町

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